Thursday, December 21, 2006

犬神家の一族(2006)I【映画評論】

あまり日本語で評論を書くことはないし、
日本人ではないので
ご理解の上でお読み下さい。

20年前の「犬家の一族」は見たことはないので、
今度市川監督による再撮影ものを比較できない。
しかし、迫力は十分といっていいでしょう。

横溝原作の戦後まもなくの時代
(小熊英二の分類といえば「第一の戦後」)と
70年代中旬に映画化された時代背景(「1975体制」)と
新しい再盛作の今(第三の戦後)を配慮して、
タイトル通り、血塗れ「犬」の点と「」を取り除けば*、
もともと平凡な「大家の一族」で不気味な事件が発生し、
(「日本」の「」と「」というべきでしょうか)、
これは神憑りや呪われた霊-ー社会制度というそのもの--に対する批判の映画に違いない。

結論といえば、
人の意思を越える連続殺人件と、
そういうものを浄化しようとする探偵のストーリーである。



*監督は用心深くこういう細かい点を映画中あっちこっちで布石して、
タイトルの「大→犬」、「神」が赤くなったりなくなったりしていることは、
ごく一部であろう。


まず我々注意すべきなのは、
殺人を起こす、個人意思を越える名も知らぬ力と
世の中で浄化できない探偵という者、
映画のメッセージから両者の役割を読み解くこと。
この二つのポイントが分らなかったら、
我々日本社会そのものを理解するための
日本の推理文学ないし映画の研究の意義とは何か、
解けない謎のように、永遠に闇に沈む。

従って映画評論家の役目は寧ろ
探偵金田一耕作
がやっていることと変わらない。

(以下続き)

1 comment:

Anonymous said...

電影沒看
但金田一耕作系列
總給人"悲劇"的感覺
多於"偵探"的感覺
充滿人性的黑暗和自私……久遠的記憶(十年前)留下來的,只有這個

"金田一少年之事件簿"延續的也是類似的東西
也許因此所以我喜歡